家づくりの素材;手仕事
江戸、明治の建物が残る岡山県矢掛町へ行ってきました。古いものから修復した新しいものまでありました。「古いものはどこかバランスがいいよね」と一言。今と昔と何が違うのでしょうか。同じ寸法の部材を同じ寸法で組めば同じになるはずです。
古い部材が経年劣化で角が丸くなったり、風化している部分はあるのでしょうが、どことなく柔らかく感じます。その違いは製材の方法にもあるのではないかと感じます。
現在は機械を使って真直ぐに同じ寸法の物が出来ます。しかし昔は人の手で切り出し、割り、削って製材していたはずです。そこには幾分の誤差が生じていたと思われます。
それが何とも言えない柔らかさを出しているのではないでしょうか。どうやって作ったのだろうか?そんな事を思い、感じながら見学させていただきました。
深い軒を支えるための方杖です。雇枘でお互い込栓打ちです。金物のない時代に如何に止めようかと考えた結果でしょう。
酒を絞る道具です。人力で如何に大きな力を生じさせるか工夫されていました。
唯、ひたすら石を掘ったのでしょう。天然石の流しです。敬服します。
本陣ならではの装飾や驚きがありました。